研究概要 |
本研究課題では,ベクトル量子化技術に基づく新しい画像・動画像圧縮法を確立し,様々な通信端末で利用可能な低ビット通信を可能とすることを目的としている.これまでのベクトル量子化技術においては,画像を一様に分割してコードブックを作成するためのベクトルを生成していた.これでは画像の特質に適合した圧縮を効果的に行うことはできない.本研究では可変ブロックサイズによるベクトル量子化について研究した.可変ブロックサイズを実現するためにこれまでの研究成果である局所フラクラル次元を用いた画像の可変ブロックサイズを実現し,従来法と比較して圧縮率,画質において良好な結果を得た.本研究で研究したアルゴリズムを動画像に応用することを検討した.また,画像・動画像圧縮においてはカラー空間の検討が必要であることが分かり圧縮アルゴリズムに最適なカラー空間について研究した.RGB, HSV, L*a*b*空間で圧縮アルゴリズムを検討することによってカラー空間がコードベクトルに与える影響について研究した.また,ベクトル量子化によって作成されるインデックスマップについて効果的な非可逆圧縮法についても研究し,一定の成果を得た.さらに,領域分割にいるベクトル量子化の有効性について研究し,効果的であるとの結論を得た.領域分割においては,領域ごとにシード画素を見いだすアルゴリズムによってシード画素と隣接する画素から領域を抽出する方法を用いた.分割した領域をウェーブレット変換することによって高域成分と低域成分に分割することによって可変ブロックを実現した.同じ大きさのブロックからコードベクトルを生成することによって効果的な圧縮と良好な画質を得ることできた.また,遺伝的アルゴリズムによりコードベクトルの最適化も行った.
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