研究概要 |
本研究は、日本語の単語間の連想関係をマッピングして語彙知識の特徴を検討するものである。そのため、本研究の中心は、大規模日本語連想語データベース(JWAD)の構築を継続している(Joyce,2005a,2005b,2005c,2005d,2005e,2006,2007;Joyce&Miyake,2008)。連想語に関する質問紙調査を行って連想反応を収集し、連想反応の適切さによってコード化して、ターゲット単語に対して集合での延べ数・異なり数を集計するなどのような整理して漣想反応データをJapanese word association databaseの第一版(JWAD-V1)として公開した(Joyce,2005;2006;2007)。JWAD-V1は、反応者の50名、2,099のターゲット単語に対して、合計104,800の連想反応からなっている。 複雑な連想ネットワークを明確にすること及び意味空間での階層構造を視覚化することの方法として、本研究は、大規模日本語連想語データベース(JWAD)に基づいた語彙連想マップの作成、または、JWADの連想ネットワーク表象にグラフクラスタリング方法を発展させた(Joyce&Miyake,2007,2008;Miyake&Joyce,2007a,2007b,in press;Miyake,Joyce,Jung,&Akama,2007)。グラフ理論やネットワーク分析結果、JWADの連想ネットワーク表象は、スケールフリーとスパース性の構造的な特徴を持っていることが明らかになった。語彙連想マップの開発にとって、連想反応の集合とグラフクラスタリングから得られる単語のクラスタリングは、有益な比較材料となりうる。 語彙マップの発展・応用を検討する研究として、専門語の学習方法におけるバイリンガル語彙マップの有効性を示唆する結果が得られた日本語習得の研究(Joyce,Takano,&Nishina,2006;Takano,Joyce,&Nishina,2006,2007)、日本語辞書編集の研究(Joyce,2005b,2005d,2006;Joyce&Srdanovic,accepted)、日本語文字体系の研究(Joyce,2007)など行った。
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