研究課題/領域番号 |
18500238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
善岡 克次 金沢大学, がん研究所, 教授 (60200937)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 足場タンパク質 / MAPキナーゼ / 小脳 / マウス / JNK / 顆粒細胞 / 発生・分化 |
研究概要 |
哺乳類MAPキナーゼ(MAPK)経路の足場タンパク質は、シグナル伝達の特異性維持を規定する因子であり、MAPKの時空間的制御にも関わると考えられている。しかし、詳細については不明な点が多い。我々は、自らのグループが同定した足場タンパク質JSAP1を中心に解析を行った。研究成果は以下の通りである。 1.Jsap1ノックアウト(KO)マウスは、生直後、呼吸不全のために死亡することが知られている。しかし、その分子メカニズムについては不明な点が多い。Jsap1コンディショナルKOマウスを用いた解析により、Jsap1 KOマウスの死亡は神経系の異常に起因することが強く示唆された(Neurosci. Lett. 2007)。 2.PC12細胞をモデル系とした解析を行い、足場タンパク質JSAP1はN-カドヘリンを介した細胞間相互作用の制御に関与していることを見出した(Biochem. Biophys. Res. Commun. 2007)。 3.発達過程および成体マウスにおけるJSAP1の発現を詳細に検討し、JNK MAPKとJSAP1 mRNAは胎仔および成体マウスにおける発現パターンが極めて類似していることを見出した。またJSAP1タンパク質は、胎仔では未分化神経細胞、および小脳の外顆粒層で特に強く発現しており、成体マウス脳では、様々なニューロンやバーグマングリアで発現しているが、中でも小脳プルキンエ細胞で高発現していることを見出した(J.Neurochem. 2006)。 4.免疫組織化学法による解析を行い、JSAP1タンパク質は発達期小脳の外顆粒層を形成する顆粒前駆細胞(GCP)、特に増殖を停止したGCPで強く発現していることを見出した。JSAP1-JNK MAPKシグナル伝達系によるGCPの増殖・分化制御機構を明らかにするため、生後4日目のマウスから小脳GCPを精製し、初代培養系を用いて解析した。その結果、JSAP1-JNKシグナル伝達系はGCPの増殖阻害、および分化促進に関わることが強く示唆された(投稿準備中)。
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