研究課題/領域番号 |
18500275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
若林 孝一 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50240768)
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研究分担者 |
丹治 邦和 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10271800)
冨山 誠彦 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40311542)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,980千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | αシヌクレイン / パーキンソン病 / 多系統萎縮症 / レビー小体 / NUB1 / シヌクレイノパチー / NUBI |
研究概要 |
この2年間の研究により得られた成果は以下の5点にまとめられる。 1.パーキンソン病(PD)PDの黒質および青斑核ではチロシン水酸化酵素(TH)陰性神経細胞の出現とαシヌクレインの蓄積、神経細胞脱落には密接な関係が存在することが明らかになった。PDの黒質および青斑核におけるTH活性の低下は細胞を保護する目的で生じている現象である。 2.多系統萎縮症(MSA)では15例中6例で心臓のTH陽性神経線維が減少しており、さらに6例中4例では交感神経節におけるTHの免疫原性が低下していた。つまり、MSAでも心臓交感神経系の変性が起こりうる。 3.シヌクレイノパチー(PD、レビー小体型認知症、MSA)を含む43剖検例について検討した結果、神経変性疾患では神経細胞やグリア細胞に種々の封入体が認められるが、NUB1はシヌクレイノパチーに出現する封入体に持異的に発現していることを明らかにした。 4.Incidental Lewy body disease(ILBD)では交感神経節および延髄に神経細胞脱落は認められなかったが、20例中10例で心臓交感神経の脱落が認められ、心臓交感神経におけるαシヌクレインの蓄積は免疫組織化学的に検出できる最も早期の変化であった。心臓交感神経の脱落はPDにおける早期の変化であり、心臓交感神経の変性は軸索の末端から逆行性に進行する。 5.PDの線条体におけるαシヌクレインの蓄積について25剖検例を対象に検討した。その結果、小型神経細胞ではstage3(中期)から、大型神経細胞ではstage5(末期)にαシヌクレイン陽性封入体が形成されることが明らかになった。このことは線条体ではintrinsic neuronが障害されることを初めて明らかにした報告であり、PDの病変進展過程を理解する上で重要な知見である。
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