研究課題
基盤研究(C)
幼児期のストレスは認知行動等にリスクを伴うことが知られている。離乳直後(21-28日)の動物への社会的隔離は、統合失調症の陰性症状のモデルとして用いられている。アセチルコリンとヒスタミン神経系は、学習/記憶に関した機能を持つことがこれまでの研究から報告されていたが、精神神経疾患への関与に関しては、まだ明らかにされていない部分が多い。この研究では次の6つの項目から検討を行った。1.ヒスタミン神経系に関与する遺伝子改変動物の作成、2.若期ストレスモデルマウスの作成と行動薬理学実験、3.定型または非定型(SDAまたはMARTA)抗精神病薬の効果の検討、4.マイクロPIXEによる神経新生のイメージングと評価、5.神経新生のイメージングと幼若期ストレスの神経新生に与える影響、6.神経伝達物質からみた幼若期ストレスの神経系への影響。2と3の項目の実験から、幼児期の社会的隔離ストレスは、自発行動量を減少させ、認知能力を低下させたが、ヒスタミンH1受容体欠損マウス(H1KO)では野生型(WT)に比べ幼児期の社会的隔離ストレスの影響が有意に少ないことが明らかになった。非定型抗精神病薬はH1受容体拮抗作用を持っているので、ヒスタミンH1受容体拮抗作用は、非定型抗精神病薬の治療効果の一つであることが示唆された。海馬の神経新生を大気マイクロPIXE田分析法で調べるために、BrdUをH1KOとWTマウスに投与して、海馬における臭素の集積量を比較した。H1KOの海馬の臭素集積量はWTに比較して少なかった。ヒスタミン神経系の生命への関与については、ヒスタミンH1,H2 H3受容体を三重に欠損させたマウスと、H1,H3受容体の二重欠損マウスが誕生し、その生命を継続できることが分かったが、ヒスタミンH2受容体の関連する欠損マウスの誕生と生命維持にはまだ不明な点が多い。
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