研究課題/領域番号 |
18500291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河崎 洋志 東京大学, 医学部・付属病院, 特任准教授 (50303904)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 脳・神経 / 発生・分化 / 神経科学 / 脳神経 / 視覚 / 分子メカニズム / 発生過程 |
研究概要 |
高等哺乳動物の視覚系神経回路では、M細胞系(空間・動作情報を伝達)、P細胞系(色彩・形態情報を伝達)など多彩な視覚入力に刺激特異的応答を示す神経細胞群が存在しており、カラム構造や層構造などの立体構築を形成している。これらの機能分業と立体構造とは、効率の良い視覚情報処理に重要であると考えられているが、これらの神経細胞の多様性と立体構造の形成に関する分子メカニズムはまだまだ不明である。 我々はこれまでに、視覚情報の中継核である外側膝状体(LGN)に焦点を絞り、M細胞への分化メカニズムに注目をして解析を進めてきた。これまでに、M細胞に発現する遺伝子の同定を行い、この遺伝子の発現を分子マーカーとして、M細胞への分化過程を調べてきた。まず、網膜自発発火の重要性を検討するために、網膜自発発火を抑制する薬剤epibatidineを生直後より投与し、その後にLGNにおけるM細胞マーカーの発現をin situ hybridization法により検討した。その結果、LGNにおいてM細胞マーカーは正常に出現してきたことから、M細胞分化には網膜自発発火は不要であることが示唆された。また眼球を除去してもM細胞分化は正常であったことから、網膜自発発火のみならず、眼球からの入力も不要であることが示唆された。 さらに、LGNのスライス培養を作成し、M細胞への分化を検討したところ、スライス培養でもM細胞マーカーは出現してきた。スライス培養には、大脳皮質や脳幹部などLGNに入力を送る部位は含まれておらず、この結果は、M細胞への分化は、LGN自律的に規定されている可能性を示唆している。しかしながら、これまでの研究では1種類のM細胞マーカーしか使っておらず、今後複数種類のマーカーで、この結論が正しいか検証する必要がある。
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