研究課題/領域番号 |
18500308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
飯野 昌枝 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20008329)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,670千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | グルタミン酸作動性シナプス / GLT-1 / GLAST / プルキンエ細胞 / ベルクマングリア / 登上線維 / 興奮性シナプス後電流 / トランスポーター電流 / 小脳プルキンエ細胞 / グルタミン酸トランスポーター / AMPA受容体 / スライスパッチクランプ / PMB-TBOA |
研究概要 |
本研究は、グルタミン酸作動性シナプスにおけるグリア型グルタミン酸トランスポーターGLT-1の役割を解明することを目的とした。 〔平成18年度〜平成19年度研究成果〕 1.グリア型トランスポーター(GLT-1、GLAST)欠損マウスの小脳プルキンエ細胞(PC)で、登上線維(CF)刺激による興奮性シナプス後電流EPSCを記録し、kineticsの変化を野生型マウス(WT)と比較した。GLT-1欠損マウスのEPSCのdecayの時間経過は遷延するが、遷延の程度はGLAST欠損マウスと比較すると有意に短かった。 2.WTマウスで、グリア型トランスポーター阻害剤PMB-TBOA 10nMまたは100nMの投与により、それぞれGLT-1またはGLAST欠損マウスと同程度のEPSCの遷延が引き起こされた。このときベルクマングリアからCF刺激によって発生するSynaptically Activated Transporter Current (STC)の振幅はそれぞれ約81%、28%に減少した。この減少の程度はGLT-1またはGLASTノックアウトによるSTCの減少とほぼ一致した。従って、GLT-1はGLASTと協調してグルタミン酸の回収を行うが、GLASTに比べてその役割は小さいことが結論された。 3.WTマウスで、グリア型トランスポーターを阻害すると、CF終末から放出されるグルタミン酸が本来そのCFとシナプス結合しないPCにspilloverし、CF-PC間の機能的1対1結合を妨害することを示した。 4.グリア型トランスポーター阻害剤は、ラット海馬CA1ニューロンで、興奮性シナプス形成以前でも、NMDA受容体依存性の脱分極性振動を発生させた。従って、グリア型トランスポーターは、シナプス以外から細胞外に漏出するグルタミン酸の除去にも重要な役割を果たすことが示唆された。
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