研究課題/領域番号 |
18500317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
吉田 正俊 生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (30370133)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,780千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 膝状体外経路 / 空間的注意 / 視覚意識 / 急速眼球運動 / 盲視 / 残存視力 |
研究概要 |
マカクザルの第一次視覚野を除去して作成した盲視動物モデルを用いて視覚的意識(見え)の神経機構を明らかにすることを目的とした。盲視モデルサルには二種類のサッケード課題を行わせる。(a)強制選択課題では損傷半視野の上下どちらかに呈示される標的刺激を選択することで報酬が与えられる。一方、(b)検出報告課題では損傷半視野に標的刺激が現れたときにはそれを選択すれば報酬が与えられ、標的刺激が現れなかったときは注視点が消えてからも注視を維持することによって報酬が与えられる。盲視での視覚情報処理に使われている回路として、上丘を介した副側路が有力な候補としてあげられている。そこで損傷側の半球の上丘中間層を第一のターゲットとして選び、盲視モデルサルの上記課題遂行中のニューロン活動を記録した。課題はdelayed-saccade条件で行い、視覚関連の活動をサッケード関連の活動から分離できるようにした。 記録した神経活動の集団平均を作成したところ、(a)強制選択課題において、受容野内に標的が提示された条件で正しく標的にサッケードした試行では、不正解試行と比べて視覚応答が大きくなっていた。また、(b)検出報告課題において、標的を提示した条件のうち正しく標的にサッケードした試行では、標的の存在を報告できなかった試行と比べて視覚応答が大きくなっていた。なお、このような修飾は健常側の上丘では見られなかった。よって、これらの神経活動の修飾は盲視モデルサルにおける「見え」の報告に大きく関連していると考えられる。 さらに上丘浅層からも同課題遂行中の活動を記録し、このような視覚的気づきに対応した神経活動が見られないことを示唆するデータを得た。このことは、視覚的気づきに対応した神経活動が上丘内の局所回路によって形成される可能性を示唆している。
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