研究課題
基盤研究(C)
癌の組織を用いて行ったトランスクリプトーム解析特にRT-PCR法の結果を、ニューラルネットワークにかけて、癌の再発進行に関わる可能性の高い遺伝子を抽出した。37名の患者から得られた肝癌のサンプルを解析したところ、AFPを始めとする4個の遺伝子産物のRT-PCRデータが予後の経過を予測するのに有効で、80%以上の的中率であることが確認された。この結果は臨床から得られた知見とも概ね一致するもので、これらの遺伝子産物が肝癌組織中でどのような働きをするかが着目される。それでまずAFPについて、プロテオーム解析により、肝癌組織中の消長の測定を試みた。AFPは肝癌の血中マーカーとして有名であるが、肝癌組織中の検出はこれまでに報告されていなかった。従って技術的困難があると予想されるが、やはり、AFPは生体内に著量存在するアルブミンと分子量、pIがほぼ一致し、質量分析計にかけてPMF法で解析してもデータベースから想定されるタンパクは全てアルブミンであり、AFPは特定できなかった。。その解決策として、AFPに対する、ポリクロナール抗体を作成し、AFPの所在を確かめた。抗体を使った方法は有効ではあるが時間とコストがかかりすぎ、診断等には向かないことも明らかとなった。そこで二次元電気泳動の解析をより精密におこなうため、Watershed法やRolling ball法に基づく解析ソフトを作成し、銀染色の経時変化までも正確に解析できるプログラムを作成した。その結果癌組織内部のタンパク質を150個程度まで同定できたが、微量なタンパクの同定は困難であった。しかしこの時、開した技術はアメリカ電気泳動学会年会で高い評価を受け、第3位ポスター賞を取得した。
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Sankyo Publishing
Process Biochemistry 42
ページ: 46-51
Process Biochem Vol.42
Process Biochemistry 42.1
Proteomics Vol. 6, 3730-3738(2006) 6
ページ: 3730-3738
Proteomics Vol.6
Proteomics Vol.6, 3730-3738 (2006) 6.13
Journal of Bioscience and Bioengineering (印刷中)
110006873806
J. Biosci. Bioeng (in press)