研究課題
基盤研究(C)
少子化のなかで、高校生が安全にスポーツ活動に取り組むことの重要性については高く認識されている。バスケットボールは高校生のスポーツ活動のなかでも人気の高い種目のひとつであるが、スポーツ外傷の発生もたいへん多い。女子バスケットボールでは各チームで毎年のように膝前十字靭帯(ACL)損傷が発生している。ACL損傷の予防プログラムを開発し、実践効果を示すのが本研究の目的である。広島県内10カ所の高校で、合計300名を対象にしてそれぞれ1年間、合計2年間にわたって介入研究を行った。160名がACL損傷予防プログラムを実施したグループで、140名が実施しなかったグループである。ACL損傷予防プログラムは、筋力、バランス、ジャンプの3つの主要項目を含めたエクササイズからなり、10分間で実施できるように構成した。予防プログラム実施グループはこの10分間のエクササイズを毎回のバスケットボールの練習前に行った。開始後1年とさらに1年の単位で経過を観察した。その前年のACL損傷発生率は1,000練習時間あたり0.11であった。予防プログラム実施グループでは2年間に4名にACL損傷が発生し、発生率は0.041であった。これに対して予防プログラム非実施グループでは7名にACL損傷が発生し、発生率は0.084であった。このように、予防プログラムの実施により、ACL損傷の発生を食い止めることはできなかったが、現時点では予防プログラム実施グループでは、非実施グループより低い発生率に抑えられていることが明らかにできた。また、その発生率は従来よりも半減できることが示された。本研究では神経筋機能に関わる検査・測定を実施し、それらの結果とも照らしながら、ACL損傷予防に必要なエクササイズの内容の妥当性を検討した。
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