研究課題/領域番号 |
18500421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
辻 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90245639)
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研究分担者 |
里宇 明元 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60146701)
石川 愛子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10348774)
村岡 香織 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40327648)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,110千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 悪性腫瘍 / リンパ浮腫 / 乳癌 / 子宮癌 / 複合的物理疎泄療法(CDP / リンパ節郭清 / 超音波エコー / リンパドレナージ / 婦人科癌 / バンデージ |
研究概要 |
【目的】リンパ浮腫は医療者側の認識不足により適切な治療がなされず放置されることで進行することが多く、浮腫の悪化により仕事や家事に支障をきたしQOLを低下させる切実な問題である。適切な生活指導・治療を行えば、たとえ進行例であっても浮腫をある程度改善させることは可能である。治療の柱である圧迫法に関しては多層包帯法(バンデージ法)もしくは圧迫衣類(弾性スリーブ・ストッキング)が用いられる。一般的に多層包帯法の方が効果に優れるといわれているが、浮腫の進行度やそのほかの要因によってどのように使い分けるかについていまだ不明確である。 そこで本研究の目的は圧迫法の種類別に比較研究を行い、圧迫衣類に比べてバンデージ法がリンパ浮腫の改善により有効であるという仮説を検証することである。 【方法】2006年1月から12月までの上肢・下肢リリンパ浮腫外来初診患者81例を対象に後方視的に調べ(後方視的症例対照研究)、圧迫衣類とバンデージ法の治療効果を比較した。 【結果】平均年齢58.4±13.6才、全例女性。術後〜浮腫発症までの期間は中央値11ケ月(直後〜33年)。浮腫の部位は上肢10例、下肢71例。原疾患は子宮癌術後51例、卵巣癌術後11例、乳癌術後10例、特発性3例、その他6例。81例中2回以上受診し治療した患者は51例(上肢6例、下肢45例)で、浮腫はリンパ浮腫の臨床分類でグレード1と2が半々であった。上肢ではバンテージ群4例、圧迫衣類群2例、下肢ではバンデージ群14例、バンデージと圧迫衣類の併用(併用群)17例、圧迫衣類群14例であった。上肢ではバンデージ群で改善の傾向がみられたが、圧迫衣類群では変化なかった。一方、下肢周径はバンテージ群・併用群において治療前後で有意な改善を認めたが、圧迫衣類群では有意な改善を認めなかった。蜂窩織炎はいずれの群でも頻度が減少した。 【考察】浮腫発症からの経過の長い症例でも、積極的な介入により浮腫の改善を認め、感染の予防効果もあることが示された。また,バンデージ法は圧迫衣類よりも効果が高いことが示唆された。
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