研究概要 |
1.継続運用と評価方法の検討:萌芽研究(1665039)にて開発した遊びリテーションシステムを,認知症高齢者グループホームのスタッフの意見に基づいて改良し,継続的な適用を試みたが,スタッフのみでの運用には至らなかった.システム利用の効果評価の検討では,平衡機能と歩行における高齢者と若中年者との違いを検討し,高齢者の特徴を反映する指標として,足底圧パラメータが使用できることを示した. 2.新たなデバイスの開発:平面上での上腕の大きな運動を誘発するドラフター型運動装置の試作・評価を行った.また,インフレータブル(空気注入型)ディスプレイを用いて,映像投影面を直接叩くという認知症高齢者にも直感的にわかりやすく安全なコンテンツを開発した.さらに,可搬性を重視した装置として,任意の関節の曲げ伸ばし運動を行わせる装置も試作した. 3.コンテンツの開発:コンテンツの構成要素を整理し,オブジェクト,アニメーション,ライティング,イベント処理などを,モジュール化することで,コンテンツを容易に制作できるようなコンテンツ制作環境を整備し,グループホームでの適用評価において得られた知見をもとに,追加モジュールの検討・開発を行い,開発環境の汎用化を図った. 4.運動強度の計測と至適負荷の制御方法の検討:筋電図,心拍,血圧,酸素摂取量,二酸化炭素排出量,換気量を計測する実験システムを構築し,健常成人を被験者に,運動強度の定量的評価を試みた.至適負荷の制御方法の検討には至っておらず,今後との課題とした.
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