研究課題/領域番号 |
18500456
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
身体教育学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 大地 東京大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (70360683)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,970千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 運動制御 / 運動学習 / リーチング運動 / 脳内過程 / 運動野 / 小脳 |
研究概要 |
本研究の結論は、同じ左腕(右腕)の運動であっても、その運動学習に関与する脳内過程(メモリ)は、もう一方の腕の運動の有無によって部分的に切り替わるということである。この結論を得るために具体的には以下のような研究を行った。 ・リーチング運動時に、ロボットアームを用いて手先の移動速度に依存した力場を貸す。そのときの力場への適応過程を調べることにより、リーチング運動時に左腕(もしくは右腕)だけで(片腕運動で)獲得した運動学習効果と、もう一方の腕の動きを付けくわえて両腕運動として獲得した運動学習効果の間の互換性を検討した。その結果、片腕だけで覚えた運動学習効果は両腕運動時の同じ腕で6-7割しか活用されず、逆に両腕を動かしながら獲得した学習効果は片腕運動時には6-7割しか活用されないことが明らかになった。 ・この結果より、同じ腕の運動学習に関わる脳内過程として、片腕運動専用の部分、両腕運動専用の部分があり、これらの運動学習用メモリが切り替えられて用いられているという仮説を立てた。 ・この仮説に基づき、運動学習に関わる脳内過程を、片腕専用、両腕専用、共用の3つの領域から構成されると仮定した数学的モデルを構築した。このモデルでは、リーチング運動を行うたびに運動軌道のエラー情報によってそれぞれの領域の状態が更新される。このモデルのパラメータを適切に設定することにより、得られた実験結果(運動学習効果の片腕-両腕運動間の非互換性等)をほぼ再現できた。 ・この数学的モデルは、ある条件の下では運動学習の時定数が遅くなるなどの新しい予測を導く。実験により、これらの新規な予測がすべて実際に生じることを確認した。
|