研究課題
基盤研究(C)
前糖尿病期の病態に対応した食行動・身体活動変容プログラムの開発を目的に、2006-2007年に、出雲市の壮年123名(57.2±8.1歳、BMI26.1±3.2kg/m^2)を対象に、教育による3カ月間の介入研究を行った。生活習慣では、摂取熱量の22%減少および消費熱量の6%増加を認め、その結果、体重は2.8kg有意に減少した。75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を用いた前糖尿病期の判別では、介入前は正常耐糖能(NGT)57名、空腹時高血糖(IFG)6名、食後高血糖(IGT)29名、IFG+IGT8名、糖尿病型(T2DM)14名であったが、介入後はNGT79名、IFG11名、IGT14名、IFG+IGT9名、T2DM10名と有意に改善した。プログラム前のIGT群では、糖負荷120分後の血糖値は161mg/dlから135mg/dlに16%低下し、30分後のインスリン値は42.8μU/mlから48.0μU/mlに増加し、インスリンの初期分泌の改善を認めた。T2DM群では、HOMA-IRは2.3とインスリン抵抗性を認めていたが、介入後は1.4に有意に低下し、インスリン抵抗性が改善されていた。糖負荷後60分の血糖は265mg/dlから223mg/dlに、120分後の血糖も253mg/dlから189mg/dlに有意に低下した。空腹時血糖の測定では発見し得ない耐糖能異常を、OGTTによって早期に発見し、食習慣および身体活動習慣の変容を促進し肥満を改善することで、糖尿病への進行を抑制できることが明らかとなった。本プログラムの学習会において、身体・生活習慣等の調査にOGTTを加え、それらの結果に基づき現在の病態と将来のリスクおよび生活習慣との関連について学んだことが、積極的な食行動・身体活動変容を促したと考えられる。
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