研究概要 |
本研究では,自然環境に関わる幼児の遊びに見られる科学的萌芽の研究を行った。その結果,以下のことが明らかになった。 (1)全国の幼稚園へのアンケート調査を行った結果,ほとんどの幼稚園が保育活動になんらかの形で科学に関する遊びを計画的に取り入れていく必要性がある。そして,科学に関する遊びとして,「色水遊び」,「シャボン玉遊び」,「泥だんご作り」と「砂遊び」を挙げる園が多かった。 (2)日常の保育活動の中で見られる子どものつぶやきや会話の事例から,科学的萌芽を育成する気づきにつながるものが随所に認められた。また,シャボン玉遊びの事例から,4歳児と5歳児では,科学的萌芽の育成につながる気づきに違いがあった。 (3)5歳児では,「息で動く紙車遊び」が科学的萌芽そのものを構成していく気づきを育成するのに適した教材であり,「小麦粉粘土遊び」,「砂遊び」,「シャボン玉遊び」,「色水遊び」と「泥だんごづくり」は,科学的萌芽の基礎的な部分を構成していく気づきを育成する遊びとして適した教材であることがわかった。 (4)幼稚園での親子科学体験教室の事例から,いろいろな年齢の幼児の科学的萌芽を育成する気づきにつながるつぶやきや会話が期待できる遊びは,製作活動が簡単な「ピョンピョンコップ」や「ドングリやじろべえ」と「シャボン玉遊び」であった。
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