研究概要 |
研究代表者らは,トータル・フィジカル・レスポンス法(Total Physical Response Abproach,以下TPR法)の考えを取り入れた外国語CAIシステムに関する研究を行ってきた.本研究では,これまで研究を行ってきた外国語CAIシステムの良さを生かしつつ,コンピュータ上だけでは実現が難しい部分の改善を目指し,ICタグを用いて教室など日常空間の中で学習活動を行える実空間体験型の外国語学習システムに関する研究を行った。開発したシステムは以下のような特徴を持つ。 ・聞き取りポイントが複数箇所ある問題文を出題することができる。例えば、「Please choose cold carrot juice in a plastic bottle.」において、単に「juice」だけでなく、「cold」 「carrot」 「plastic bottle」等の「温度」「(ジュースの)種類」「容器」等の箇所をそれぞれに判定できる問題文を出題することができる。 ・複数ある聞き取りポイントに対して、どの部分が聞き取れていないか、また、どの程度聞き取れているかといった、学習者の誤り内容や誤りの程度(正解率)に応じて、フィードバックの出し方が変わる。 ・「please choose cold carrot juice in a plastic bottle.」といった問題文により正解条件に合致する物を回答した後、問題後半部として、「Please put it on hot orange juice.」のように、置き場所に関する問題を連続して出題する。また、置き場所に関する誤り指摘や確認問題についても、問題前半部と同様、学習者の誤り内容や誤りの程度に応じて、誤り指摘文の内容や確認問題の出し方が変わる。 これにより,個に応じた支援を重視し,学習者の間違った程度をチェックしながら段階的に支援することが可能となった.
|