研究概要 |
我々はケアマネジメントを担う人材育成のためのコンピュータを利用した教育支援システムの開発を目指している.ケアの実践現場からのコンピュータを利用した教育支援に対する要望を徹底して収集・分析した.その結果からケアアセスメント結果を読取るプロセスが最も重要かっ難しいため、このプロセスの支援の要望が強かった。これに対応すべくケアプラン策定過程におけるノウハウ情報共有システムを開発した.熟達者が策定したケアプランを様々な形態で視覚化して,初心者に見せることで,その違いを気づかせることを考えた.この気づきの中にノウハウ情報が含まれると考えている.具体的には,熟達者がアセスメントの結果を読取った文書間の類似度を2次元に配置して視覚化した.また,観点の変更を行うごとに,類似度を計算し,その結果を2次元に配置した.さらに,気づきを促進させるために,初心者の読取り文書や一人のケア対象者を複数の人がアセスメントし,読取った文書を手本事例と同じ2次元に配置して比較検討することを可能にした.これまでの経過から本システムはノウハウ情報の抽出・共有に有効であることがわかった.短期間では精度の高い評価は難しいため,さらに,ケアの現場で1年間の試用を行っている.今後は試用実験の結果のデータを分析し,本システムがノウハウ情報の抽出・共有に有効であるか,ノウハウ情報抽出、共有がもたらす教育的な効果の検証を行いたい.将来はこれらの結果を踏まえて,システムを改善し,実用化したい.また,Web上でも学習できるようなシステムに進化させ,ケアマネジメントを担う人材育成に貢献できることを望んでいる.
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