研究概要 |
我々はこれまでe-Learningを用いた演習授業において,グループディスカッションを含む演習授業のモデルを設計し,高い教育効果が得られた実践結果を報告している.我々の設計したモデルでは,学生は教員の指定したグループで,お互いの成果見せ合い,評価しあいながら,課題の完成度を高めていく.このようなディスカッションは,既存のコース管理システムに用意されている掲示板機能では,効果的かつ効率よく実現することが難しい.本研究では,我々の提案するピアレビューとグループディスカッションによる協調学習の核となる,掲示板ツールの開発を行った. 我々の考えたグループディスカッションを含んだ演習授業のモデルは,次のようになる.(1)レポート・プログラムの提出,(2)同じグループのメンバのレポート・プログラムを相互に評価,(3)評価やコメントに対して返信したり,コメントを元に修正したプログラムを再び提出したりして,ディスカッションを広げていく,(4)完成したレポート・プログラムを教員に提出する.このようなモデルに沿ってグループディスカッションを行うために,(1)レポート・プログラムの提出機能,(2)同じグループのメンバに評価・コメントを行う機能などを備えたツールを,掲示板システムの形式で作成した.また,学生同士の評価を教員が集計するための機能も実装し,教員の手間の軽減も図った.さらに,ディスカッションを顕名で行なうか,匿名で行なうかを設定したり,相互評価が終わるまでは,他の学生による評価や書き込みを非表示にしたりする機能を実装し,多様なピアレビューおよびディスカッションを運営できるようにした.本研究にて作成した掲示板ツールを基にして,学生の発言内容に対して自動的にコメントをつけるエージェントの研究なども行なわれており,今後も発展していく可能性がある.
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