研究概要 |
本研究の目的は,家庭学習の習慣化が定着していない生徒に対して,家庭学習の機会を増やし習慣化させる手段としての携帯電話の活用ノウハウを明らかにする事であった。具体的には,教員があらかじめ授業と連動させた問題をシステムに登録し,その後システムが決められたタイミングで帰宅後の生徒にメールを送信し,メールに記述されたURLを通じて生徒が携帯電話で学習するものである。その結果,主として次の内容が示唆させれた。 ・教員からのメールにより学習するきっかけを作る本システムは、家庭学習の習慣がほとんど無い学生にも好意的に受け取られている。 ・本システムにより、家庭学習のきっかけを作ることは可能である。 ・家庭学習の習慣がほとんど無い学生には、定期試験など何らかの外部評価と直結する内容を提供した方が「役に立つ」と受け取られる。 ・システムの利用に際しては、試験問題の質や日々の指導の在り方など、事前に教員に対する充分な指導が必要である。 平成18年度は,システムの要件と問題作成のノウハウの集約,学習者の家庭学習調査,ならびに実践校への説明会の実施とシステムの評価を行った。その結果,携帯電話を利用した学習が,学習者に受け入れられ好評であることがわかった反面,送信時間や教員に対する啓蒙活動の充実など,いくつかの課題が明確となった。 平成19年度は,システムに柔軟性をもたせ,使い勝手の向上を図るための改良を行うとともに,教員から要望の多いメール機能の強化を図り,多様な授業への利用を可能とした。また,説明マニュアルなどの作成など,普及のための整備にも努めた。
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