研究概要 |
本研究で提案したネットワーク実験室とは,実験装置の遠隔操作を可能とし,生の実験データと実験映像(顕微鏡映像&実験システム全景映像)を同期して保存する機能を有した実験システムで,いつでもどこでもだれでもが実験を可能とするユビキタスな実験室を目指したものである.LEDの電流電圧特性実験をネットワーク実験室用コンテンツとしてプラットフォーム仕様を確定し,開発を行った.具体的には,評価サンプルの選択と,測定条件を遠隔で行うことを可能とし,任意の再生速度で再現実験を可能とした.またネットワーク実験室用のCMSは,1.複数のネットワーク実験室の管理,2.実験コンテンツの自己増殖システムの構築,および3.ユーザ管理を目的としてプラットフォーム設計を行った.CMSは処理負荷分散と回線負荷分散を行うため,コンテンツ情報を扱うWebサーバと遠隔実験プログラム,再現実験プログラムと実験データを扱うFTPサーバに分離した.また計測機器の遠隔制御は,LAN/GPIB Gateway,LAN/USBハブを採用し,GPIB,RS232CとUSBのインタフェースを内蔵する計測機器群のコントロールを行った.実験映像を扱うため,回線トラフィックのCMSアクセス状況の検証実験を行ったが,複数ユーザの同時アクセスにも関らず,支障なく運用することを確認した.本研究で開発したネットワーク実験室用コンテンツとCMSのプラットフォームは,今後新たに必要とされる実験用eラーニングコンテンツの有効な手法として展開が期待される.
|