研究課題
基盤研究(C)
真空紫外レーザーシステムを用いて地球温暖化の環境問題に関与する大気微量成分の大気中での反応過程について調べた。含酸素揮発性有機化合物(OVOCs)の一つであるケトンは、溶剤などの工業的用途や植物によって大気中に直接放出されるほか、炭化水素類の大気化学反応により二次的にも生成される。対流圏におけるOVOCsの主な消失過程は、OHラジカルやCI原子との反応によって始まる大気酸化反応である。このケトン類の大気中での反応過程を真空紫外レーザーシステムを用いてラボ実験により正確に計測した。また、米国のフォード社の中央研究所のTimothy J. Wallington博士と協力して、ケトン類と塩素原子やOHラジカルとの反応速度を求める実験を行った。光化学チャンバーとフーリエ赤外分光測定によりこれらの反応の速度を求めることができた。さらに、対流圏での化学反応過程を中心に研究を進めるために真空紫外レーザー誘起蛍光法に代えて、キャビティーリングダウン法の装置を組み立てて実験を行った。非常に反射率の高い一対のミラーを1m程度離して設置し、キャビティーを構成させた。片方のミラーの後ろから、検出対象となる分子の吸収の共鳴波長付近の数nsのパルス時間幅のパルスレーザー光を導入した。もう一方のミラーの後ろで、もれてくるレーザー光を光電子増倍管で検出した。このレーザー光強度の減衰を計測する。キャビティー内で何百回も往復するので、実効長が数kmの吸収測定と等価となる。レーザーの波長が検出対象種の吸収波長に合ったときにこの減衰の時定数が小さくなる。これを用いて温室効果気体である対流圏オゾンの生成・消滅にかかわる反応過程を研究した。窒素酸化物のNO_3およびN_2O_5の計測を行った。また、大気中のエアロゾルは地球温暖化に大きな影響を与えるが、そのエアロゾルによる太陽光の吸収および散乱量をキャビティーリングダウン法で計測することができた。
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