研究概要 |
沿岸微地形の特徴からヨシ群落の生態系機能を評価することを目的とし,霞ヶ浦沿岸態モニタリングおよび実証実験を実施した。その結果,(1)ヨシ帯への水供給は主に湖水の越流によること,(2)越流水により栄養塩類が供給される場所ではヨシの成長速度が速いこと,(3)物理撹乱がなければ,ヨシは湛水条件の方が成長速度が早く,他種混生の少ない純群落を形成できること,(4)4km以上の地理スケールで,湾地形のシェルター効果が植生帯規模を規定すること,を明らかにした。以上より,沿岸地形・微地形に基づく水文地形学的な立地分類がヨシの生育およびヨシ原の健全さの評価に有効であると考えられた。
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