研究課題/領域番号 |
18510094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大森 守 東北大学, 大学院・工学研究科, 研究支援者 (30005954)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 放電プラズマ焼結 / 複合材料 / ハイドロキシアパタイト / アルミナ / 前躯体 / 水酸化アルミニウム / 焼結 / 放電プラズマ焼結機 / 終結 / カーボンナノチューブ複合材料 / セラミックス複合材料 / ナノ複合材料 / 前駆体 / アルミナ複合材料 |
研究概要 |
本研究では、カーボンナノチューブの高強度やその他の優れた特質を生かした複合材料をセラミックスから合成し、それを工業製品として利用することを目的にしている。これまでに合成されてきたセラミックスとの複合材料は、材料として使える強度を持ってはいなかった。この原因として、セラミックス粉を原料に用いることにあると考え、加熱によりセラミックスになる前躯体の使用を試みた。本研究においてセラミックスには、生体材料として最も重要なハイドロキシアパタイト(HA)と、汎用セラミックスとして最も使われているアルミナとを選んだ。HAの前駆体には6モルのCaHPO_4・2H_20と4モルのCa(OH)_2の混合原料、アルミナの前躯体にはAI(OH)_3を使用した。カーボンナノチューブとしては価格の低い多層カーボンナノチューブを用いた。多層カーボンナノチューブには、グラフェンシートの厚さの違う肉薄と肉厚の2種類が存在している。世界中のほとんどで複合材料に使用されているのは肉薄の方である。HAと肉薄多層カーボンナノチューブからは、強度と靭性とが大きい複合材料の合成に成功した。しかし、HAの強度と靭性とが小さいため、工業製品になりえる程まで強度と靭性とを向上するのは困難と考えている。アルミナについては、肉薄多層カーボンナノチューブは塊で分散し、複合材料の強度と靭性とはその添加量に伴って急速に低下し、実用には向かないと結論した。肉薄多層カーボンナノチューブの代わりに肉厚多層カーボンナノチューブを使ったところ、カーボンナノチューブが塊で分散することがなくなり、強度と靭性とはその添加量を増やしても低下が小さく、5mass%の大量の添加でも曲げ強度は400MPa以上ある。セラミックスにおいては400MPa以上の強度があれば実用可能である。複合材料は高靭性で、電気伝導性、低摩擦係数、電磁波吸収などの多機能性であり、工業製品として広い分野での利用が可能である。この件に関しては2件の特許を申請した。
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