研究概要 |
本研究の目的は,新しくユビキタス・データマイニング(Ubiquitous Data Mining)の概念を案して,データマイニングに関して既に得られている各種の数理モデルを解析し,それらの統合手法を確立することによって,ユビキタス・サービスに適用可能なデータマイニングの新しいシステム特性を明らかにすることであった.この目的に沿って研究を実施し下記の結果を得た. ユビキタス・データマイニングの機能的側面については,データ解析の高精度化とシステムの柔軟性の双方を同時に保証できる統合モデルを実現するのに必要な, 1クラスSVM (OC-SW:One-Class Support Vector Machine)の性能改善アルゴリズムを開発した.研究成果は, 2つの国際学術会議(SAMO2007, ANQ Congress2006)で発表するとともに,国際学術誌Journal of the Operations Research Society of Japan (Vol. 51, pp. 95-110, 2008)とLecture Notes in Computer Science 4488号 (pp. 447-454, 2007)に掲載された.また、研究代表者は日本オペレーションズ・リサーチ学会機関誌の特集号「SVMの周辺:One-Class SVMと領域判別」(2006年11月号:Vo1. 51, No. 11)を編集し,総説論文を掲載(同誌, pp. 677-682)した. 実証研究としては,ユビキタス・データマイニングモデルのプロトタイピングを実施し,顧客行動パターンに基づいてタイミングよく対処できる顧客関係支援ツール(顧客セグメンテーション)の開発を行って,交叉検証等によりツールの最適性の評価を実施した.研究成果は,国際学術誌European Journal of Operational Research (Vol. 186, pp. 358-379, 2008)に掲載された.
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