研究概要 |
駅構内歩行者流動のシミュレーション名古屋に実在する鉄道会社の駅構内に於ける歩行者流動のシミュレーターを作成した.歩行に関するシミュレーターからのデーターと実データーとの比較対象を行い,構内に於ける歩行者流動がほぼ再現できたといえる.また,本シミュレーターでは,駅構内への障害物の配置が自由に出来るようになっている.これらのことによって,駅構内に於ける歩行流動を制御するための各種の方策を,シミュレーションによって評価でき,日常的な駅の利用者へのサービス向上をはかる,緊急時に於ける避難方策の策定などに寄与できる.本シミュレーターで構築したモデルは,設計段階での建物に適用し,建物内の歩行者流動の予測にも利用できると考えられる. 避難流動のシミュレーション障害物,避難誘導員,避難標識,出口などの任意個数の設置が可能なシミュレーターを作成し,様々な設定での自然な避難流動を再現できることが確認された.煙も試行の段階であるが,組み込み,拡散する煙の中を避難する歩行者流動の再現に成功している.用いられたモデルとアルゴリズムを用いて,実際の高層建物内に於ける避難流動の再現が可能であり,緊急時に於ける避難計画の策定を,流動を創発させながら討することが可能である. 基本セルオートマトンのカオス・フラクタル性についてウルフラムクラスIに属するルール番号40及び168の基本セルオートマトンが,カオス性を持つこと及び多様なリアプノフ指数の値を持ち得ることを具体的な計算によって示した.このことによって,ウルフラムのクラス分類が,十分でないこと,基本セルオートマトンの中に多様な様相を呈するものがあり,これらが複雑現象の簡明なモデルとしての使用可能性が示唆される.
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