研究課題/領域番号 |
18510188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岩尾 正倫 長崎大学, 工学部, 教授 (00100892)
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研究分担者 |
福田 勉 長崎大学, 生産科学研究科, 助教 (80295097)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,080千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ラメラリン / 多剤耐性(MDR) / 抗がん剤 / トポイソメラーゼI阻害剤 / 薬物設計 / 化学合成 / 分子設計 / 合成 / 構造活性相関 |
研究概要 |
海洋天然物ラメラリンDは、各種がん細胞に対して強い細胞毒性を示す。また、この化合物は悪性度の高い多剤耐性がん細胞にも有効である。研究代表者らは、ラメラリン系天然物の抗がん活性に着目し、化学合成や構造活性相関研究を行ってきた。一方、Baillyは、細胞毒性発現の作用機序は、カンプトテシン系抗がん剤の分子標的であるトポイソメラーゼI阻害である事を報告した。我々は、Baillyらとの共同研究により細胞毒性とトポイソメラーゼI阻害の間には、明確な相関があることを明らかにした。また、分子動力学シミュレーションにより、トポイソメラーゼI-DNA-ラメラリンD三元複合体モデルを提案した。今回、このモデルに従って、有効なラメラリンDアナローグとして1-デアリールラメラリンDおよび1位置換1-デアリールラメラリンDを設計し、それらのアナローグの効率的な合成法の検討を行った。 その結果、N-ベンゼンスルホニル-3-ブロモピロールの位置選択的リチオ化反応を鍵反応とする、8段階での1-デアリールラメラリンDの合成法の開発に成功した。また、1-デアリールラメラリンDの保護前駆体の求電子置換反応が、1位で選択的に進行する事を見いだした。さらに、求電子置換反応で得られた1位臭素化体と各種ボロン酸とのパラジウム触媒クロスカップリング(鈴木・宮浦反応)が、CsF-Ag_2Oを添加剤として用いる条件下、高収率で進行することを見いだした。このようにして得られた化合物のイソプロピル保護基を三臭化ホウ素で脱保護することにより、目的の1-デアリールラメラリンDおよび1位置換1-デアリールラメラリンDの合成を達成した。 これらのアナローグの各種がん細胞に体する細胞毒性試験は現在進行中である。Hela細胞を用いた予備的な細胞毒性試験において、1-デアリールラメラリンDはラメラリンDと同等の細胞毒性を示すことが明らかになっている。
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