研究課題/領域番号 |
18520065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
丸山 珪一 金沢大学, 名誉教授 (50019262)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,180千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ルカーチ / ビブリオグラフィ / 思想史 / 哲学 / ドイツ文学 / 美学 / 文学論 / ハンガリー / 独文学 |
研究概要 |
ルカーチは20世紀の世界的な思想家であり、日本でも多大の影響を受けてきたが、私たちはさらなる研究の出発点となるような、信頼に値するビブリオグラフィを持っていなかった。昨今の世界の大きな変化と新しくルカーチと取り組もうとする若い人たちの登場を念頭において言えば、正確なビブリオグラフィの必要性はますます高まっている。本課題はそれに応えようとするものである。彼のすべての著述についてその初出の現物に遡って確認・再確認することから始めなければならなかった。これはいくつもの国境を越えての難作業で、最終的に12の言語にまたがった。最難関のロシアの部分で歴史学者スティカリン氏の、イタリアの部分でハンガリーのイタリア思想研究者サボー氏の協力を得ることができ、この二年間の間にほとんどを終え、とりあえずしめくくりとして冊子にまとめた(項目1555、付録の定期刊行物索引とともに143ページ)。仕事の過程で、埋もれていたルカーチのいくつもの文献を発掘したことも後の研究にとって重要であろう。このビブリオグラフィに基づいて図書館を通じて間違いなくコピーを入手できるはずである。 ただ公にして広く利用してもらうためには、一つにはなお残っている空白を埋めること(とりわけイタリアのインタヴュー)、いまひとつには文献相互の関係や多少とも内容への示唆をも含んだ注記などを工夫すべきと考えている。とくに日本の若い研究者を念頭にこのあと仕事を継続したい。それとともに、ビブリオグラフィの仕事は、文献という面からではあるが、ルカーチという思想家の全体を再考する機会でもあり、そのための少なからぬヒントをも得ることになった。とくに日本の思想界との関わりを焦点として全体像再考の仕事とも取り組むつもりである。
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