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アルテミジア・ジェンティレスキと女性芸術家の神話

研究課題

研究課題/領域番号 18520090
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 美学・美術史
研究機関九州大学

研究代表者

米村 典子  九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 准教授 (30243976)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,750千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードアルテミジア・ジェンティレスキ / 女性芸術家 / ジェンダー / 芸術家神話 / フェミニズム美術史
研究概要

本研究では,イタリアの画家アルテミジア・ジェンティレスキ(1593-1653)の近代における評価の歴史を検証し,彼女が1970年代に「フェミニズム美術史のイコン」となっていく過程を検討することにより,フェミニズム美術史が女性芸術家を神話化する構造を考察した。
19世紀中頃から出現する女性芸術家だけを扱った文献の中でアルテミジアがどのように語られたかを分析し,(1)肖像画家として優れている,(2)肖像画では,歴史画家とされる父より優れていた,(3)華麗な恋愛遍歴で知られている,という3つの定型を抽出した.さらに,これらの定型について,その起源を探るとともに,最新の研究に照らし合わせ事実検証をおこなった。その結果,ほとんどの執筆者がほぼ同一の文献を参照したためアルテミジアを肖像画家としたこと,それは事実とは異なるが,女性画家であったために歴史画家という認識をされなかったことを明らかにした.
アルテミジアは,19世紀には絵画としてランクの低い肖像画家として認識されたため「偉大な女性芸術家」の候補にさえ加えられなかった.しかし,20世紀前半のバロック芸術の再評価の流れを受けて,カラヴァッジョの系譜に連なる歴史画家として評価されるようになる.その結果,70年代には,男性芸術家に劣らない女性の「偉大な芸術家」を求めるフェミニズム美術史によって注目され,80年代以降は単独の研究書も次々と発表されるようになる.だがその反面,フェミニズム美術史はアルテミジアを「偉大な芸術家」に最も近い存在として祭り上げ,「フェミニズム美術史のイコン」と呼ばれるような位置づけをすることで,新たな神話を作り上げてもいる.1970年代に問題となったのは,「偉大な芸術家」を生み出す規範の構造だったはずだが,フェミニズム美術史はアルテミジアを「イコン」とすることで,また別の女性芸術家の神話をつくりだしたのだった.

報告書

(3件)
  • 2007 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] マリー・バシュキルツェフと伝記映画2007

    • 著者名/発表者名
      米村 典子
    • 雑誌名

      芸術工学研究 8

      ページ: 1-10

    • NAID

      120006842955

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Marie Bashkirtseff and Biographical Picture2007

    • 著者名/発表者名
      Noriko, Yonemura
    • 雑誌名

      Geijutsu Kougaku : the Journal of Design Vol. 8

      ページ: 1-10

    • NAID

      120006842955

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2007 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] マリー・バシュキルツェフと伝記映画2007

    • 著者名/発表者名
      米村 典子
    • 雑誌名

      『芸術工学研究』 8

      ページ: 1-10

    • NAID

      120006842955

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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