研究課題/領域番号 |
18520229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
中地 幸 都留文科大学, 文学部, 准教授 (50247087)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,040千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アメリカ文学 / ジャポニズム / オリエンタリズム / 異人種混淆 / 演劇 / 美術 / モダニズム / ジェンダー / 絵画 / 英語俳句 / 階級 / エチオピアニズム |
研究概要 |
本研究は、世紀転換期のアメリカのジャポニズム文学異人種混淆とオリエンタリズムに焦点において調査し、アメリカのジャポニズム文学の見取り図を描くこと、とりわけ、アメリカのオリエンタリズムの構造、異人種混淆の文学としてのジャポニズム文学の役割、またアメリカのジャポニズム・ブームと日本人芸術家の貢献、日本文化とアメリカ文化の相互影響関係を調査し、ジャポニズム文学の国際的な学術振興に努めることを目的とした。当該研究機関は、夏季休暇期間を中心に、アメリカ、そしてイギリスでの調査を行いながら研究に取り組んだが、大きな成果は、現在ではほとんど忘れ去られたジャポニスム演劇『神々の寵児』の全体像を明らかにすることができたことである。また、この演劇に対する日本人画家牧野義雄の貢献を明らかにすることができたことである。『神々の寵児』に見られる、蝶々夫人型の変形とも言える日本女性像はジャポニスム文学の系譜を考える上でも極めて重要な女性像であると結論づけることができる。またオリエンタリズムとしてのジャポニズムが日本のイメージを搾取するという形態を持っていたと同時に、日本人がジャポニズムという運動に積極的に関与していたこともジャポニズムという西洋文化の機構を考える上で重要である。これらの研究成果は、日本比較文学会やハワイでの国際人文芸術学会にて口頭発表を行うと同時に、ジャポニズム学会発行の『ジャポニスム研究』やハワイ国際人文・芸術学会大会の学会論文収録集、また都留文科大学紀要に論文として発表した。また本研究を通じ、モダニズムとジャポニズムの関係性も見えてきた。異人種混交の物語はアフリカ系アメリカ文学でも20世紀初頭からモダニズムの時代にかけて重要なテーマであるが、アフリカ系アメリカ文学とジャポニスムの関係もまたモダニズムとジャポニズムを介し、重要なリンクが見えてきた。
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