研究課題
基盤研究(C)
研究目的、(1)日本語母語話者は子音と子音の間に本当に「幻の母音」を聞いているのか。(2)日本語母語話者は語中の母音の有無を本当に識別できないのか。(3)日本語母語話者は子音が連続する語を発話できないのか。もしできないならばその原因は何か。を明らかにするために、発話実験1、復唱実験、発話実験2、脳機能計測の4実験を行なった。発話実験1:語頭のクラスタ中に/t/あるいは/d/を含む英単語および無意味語がアルファベット表記されたリストを日本語母語話者17名に読ませ、挿入母音の有無および挿入母音長をスペクトログラムの視察および聴覚印象により計測した。ほとんどの被験者において、英単語、無意味語ともに/t/、/d/の後には/o/が挿入され、/p/、/b/、/k/、g/の後には/u/が挿入された。復唱実験:男性英語母語話者が発話した英単語および無意味語を、発話実験に参加した被験者8名がオウム返しに発話した。挿入母音の有無および挿入母音長を計測したところ、ほとんど母音の挿入が行なわれず、母音が挿入された場合においても発話実験の場合よりも挿入母音長が短いことが明らかになった。発話実験2:復唱実験に参加した被験者8名について、5-6カ月後に再度発話実験を行なった。結果はほぼ発話実験1と同じであった。脳機能計測:脳磁図を用い、クラスタ中の母音の有無によるミスマッチ反応を計測した。もし被験者が「幻の母音」を知覚しているなら、ミスマッチ反応は生じない。(/dra/vs./dora/)、(/bra/vs./bura/)の両方においてミスマッチ反応が生じていた。以上の結果より、日本語話者は子音クラスタ中に「幻の母音」を知覚している可能性は低く、母音挿入は日本語話者が子音連続調音に不慣れであるかあるいは日本語の音韻的制約、あるいはその複合により生じている可能性が示唆された。
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