研究課題/領域番号 |
18520331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
高田 博行 学習院大学, 文学部, 教授 (80127331)
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研究分担者 |
鈴木 亮子 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (50306859)
小野寺 典子 青山学院大学, 文学部, 准教授 (90248899)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,820千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 歴史語用論 / 談話標識 / ディスコース・マーカー / 話しことば / 対照言語学 / ドイツ語 / 英語 / 日本語 |
研究概要 |
高田は、19世紀前半に出版された会話本を18冊入手し、これらの会話本で扱われているさまざまな目常生活の状況、場面(例えば自己紹介、旅行、観劇、病気)における具体的な会話文を分析した。その結果、話しことば性を反映するため分節詞、心態詞、間投詞、呼びかけ語、省略文の多用などが明確に見て取れるとともに、さまざまな状況(感謝、依頼、賞賛、異議など)における言語的儀礼として現代とは異なる表現が19世紀前半に多く確認されることが判明した。鈴木は、日本語に関して、現代の会話で引用助詞として知られる「〜って」の歴史的変化を中心に、江戸時代の滑稽本、明治の言文一致体小説、昭和初期から現代の小説、そして録音資料から会話体の記録を得た。その結果、引用助詞から話者の主観を表す談話標識への意味変化だけでなく、発話の半ばの引用助詞から発話の末尾や冒頭に立つ談話標識へという構文上の変化も重要であることがわかった。また引用助詞における逆接用法の発達については、あり得るにも拘らず他言語で確認されていない興味深い変化ということで、今後も分析を続けたい。小野寺は、日本語用論学会学会誌『語用論研究』(2006年12月刊行)で、日本国内初の「歴史語用論」のシンポジウム(「歴史語用論:その可能性と課題」2005年12月実施)の成果を発表した。また、小野寺と鈴木は共同で、専門誌JournalofHistoricalPragmaticsの特集号(邦訳題:『目本語の歴史的変化-主観性と間主観性を中心に』)をゲストエディターとして編集した。小野寺はこの中で、2005年国際語用論学会での発表に基づき、論文"Interplayof(inter)subjectivityandsocialnorm"を発表、E.Traugott氏・A.Jucker氏他国内外の同分野の研究者と意見交換・交流も深めた。
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