研究課題/領域番号 |
18520338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
野澤 健 立命館大学, 経済学部, 教授 (30198593)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,150千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 日本語分節音 / 英語話者 / 知覚 / 母音 / 撥音 / 促音 / 知覚同化 / 分節音 / 日本語音声 |
研究概要 |
英語学習者の英語の音声認識と比較して、研究の対象になり難かった英語話者による日本語の音声認識について、撥音と促音の調音位置の知覚、日本語の母音のアメリカ英語の母音のカテゴリーにおける知覚同化、日本語の子音の知覚の3点から調査、研究した。撥音と促音の調音位置は後続の子音に変化することは知られているが、異音による差異であるため日本語話者は調音位置を正確に知覚するのが困難であるのに対し、英語では調音位置の異なる鼻音、閉鎖音の音素対立が尾子音として成立するため、日本語の学習経験のない英語話者でも日本語話者よりも正確に撥音、促音の調音位置を知覚できた。日本語の母音の知覚同化では、英語話者は母音長には日本語話者ほど影響されずに日本語の母音を母語であるアメリカ英語の母音のカテゴリーに分類した。「イ」は英語の/i/と/I/の間に、「エ」は/∩/と/〓/の間に位置しているため、個々の発話により上下どちらの母音に知覚同化されるか違いが見られた。日本語話者も被験者として実験に参加したが、2モーラの母音を英語の緊張母音に、1モーラの母音を弛緩母音に対応させる傾向が見られ、英語の母音の知覚実験では、実測の母音長により、緊張母音か弛緩母音かの弁別がなされて、母音空間上の位置の違いだけでなく、母音長が英語の母音の知覚に大きく影響していることがわかった。日本語話者は英語の母音のイメージと実際の音との差異が大きく、英語の母音の同定を困難にしていることもわかった。日本語の子音の知覚では、サ行音と英語の/s/は最も近い音として知覚されたが、ラ行音は一般にrで表記されるものの/r/として知覚されることは少なく、/l/や/d/として知覚されることの方が多く、話者や個々の音声刺激による影響も大きく、英語の子音に近い音がないことを示している。「ツ」の子音や拗音は生起する環境で知覚が影響されやすいことがわかった。
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