研究課題/領域番号 |
18520469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外国語教育
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
東 眞須美 神戸芸術工科大学, 名誉教授 (80212504)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,650千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 比喩・メタファー / イディオム / スキーマ / 認知・イメージスキーマ / セマンティックフィールド / 意味の拡張 / 言語と文化 / 語彙・語彙知識 / language and culture / vocabulary / vocabulary knowledge |
研究概要 |
本研究は、微妙なニュアンスを含む比喩的(メタフォリカルな)表現の理解に及ぼす母語知識の「功」・「罪」(メリット・デメリット)をはっきりさせ、学習者の英語力向上・活性化を目指すものである。どのような表現が日本人英語学習者にとって困難であるか、何が困難さの原因となっているか、理解の際に母語知識、認知・イメージスキーマやその他の認知作用がどのように功・罪として働くか、を分析した。 母語知識は母語が何語であれ、言語表現の理解と運用に影響を及ぼす。その功と罪の面をテスト(M-Cog Test)を用いて演繹的に分類・分析し、功を活用してスムースで高度な言語能力にどのように繋げられるか、リスクを避けるためにどのような注意が必要であるか等を考察し、本研究は予定通り達成した。 外国語としての英語学習者にとって比喩的表現に限らず全ての面にわたって語彙力が関わるので、語彙力と比喩的表現の理解との相関性を再検証し、相関性が高いことを今回も検証した。 本研究は英語概念と日本語(英語に直訳)概念の交差研究でもあるので、日本語話者と英語話者の認知の様相を比較した。表現の捉え方において、前者が局所的な捉え方をする(これは英語が母語でないので致し方ない)のに対して、後者は包括的な捉え方をすること、両者ともに解釈において母語知識・心的イメージの活性化を主に利用すること、などを解明した。 思考と認知に関しては、比喩的表現の解釈に普遍的アナロジーが大体においてプラスの効果をするが、微妙な分岐点があり、そこから先はそれぞれの分化背景的知識の作用が避けられない。これは文化の特性と言語との関わりとして重要な部分である。根底をなす概念的要素が異なる言語表現では日本語話者の理解と英語話者のそれがコインの表・裏の関係になる。以上のような点に注意すればコミュニケーション齟齬の回避に繋がることも判明した。
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