研究概要 |
本研究の目的は、近代(特に20世紀前半期)日本で作製された、新聞・雑誌の附録の地図を対象として、そのデータベースを構築するとともに、地図自体を収集し、さらにその内容分析を行うことにある。 1 附録地図目録の作成:収集した地図とともに、新聞博物館の資料、各新聞社の社史、古書店の目録なども参考として、附録地図の目録を作成した。現時点では、作者(出版社)・本紙名(号数)・表題・発行年月日・縮尺・判型・色数・描画範囲・凡例を項目としている。 2 地図の電子化:収集した地図の利用性を高めるとともにweb上で公開できるようにするために電子化する作業を進めた。 3 新聞附録地図の形式的な特徴(出版時期・判型・縮尺・発行機会など)をまとめ発表した(新聞附録の地図。『鳴門教育大学研究紀要』23,pp.284〜292)。上記の特徴を10年単位に比較した結果は以下の通りである: ・附録地図は遅くも日清戦争前の時期には発行されているが、量的に増加するのは20Cに入ってから(特に昭和戦前期)である。 ・全体として次第に大型のものが増加した。 ・地図の発行機会としては、新聞社の記念、時候がらみ(新年や夏季など)、鉄道建設、市町村合併、戦争(開戦・講和)・革命、博覧会など、自然災害など、が挙げられる。
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