研究課題/領域番号 |
18520639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
江口 一久 国立民族学博物館, 名誉教授 (90045261)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 北部カメルーン / フルベ族 / コピー文化 / 口承文芸 / フルフルデ語 / フルベ化 / 都市 / 録音資料 / 文化人類学 / 民族学 / 外国文学 |
研究概要 |
本研究の目的は北部カメルーン・フルベ族社会におけるコピー文化の出現と口承文芸の変貌との関係をさぐることにある。そもそも、従来、口承文芸は聞き手の目の前で、直接、語り手、歌い手が演じるものであった。ところが、録音・録画などのコピーが可能になったあと、口承文芸は実演・実技からはなれて、コピー媒体にのって、一人歩きするようになる。この口承文芸の一部は、ワンバーベといわれる職業的な芸人たちによってささえられてきた。従来、支配階級、富裕な人たちが、このワンバーベのスポンサーになっていた。ところが、1980年以降、南部出身の大統領が登場し、この従来支配層であった人も、弱体化することになる。そのころから、南部出身者の多くが北部に流入する。この流入者は、都市を中心にはなされている地域共通語としてのコイネー・フルフルデ語をはなすようになる。また、北部の都市を中心とし、フルベ族の若者たちは、日常生活のありとあらゆる場面で、非フルベ族の人たちと交渉をもつことになり、自分たちも、いわば伝統的なフルフルデ語をはなさなくなり、コイネー・フルフルデ語をはなすようになってくる。こうして、フルベ族の若者層や「フルベ化」した人たちや、外部からの流入者は、コイネー・フルフルデ語がつかわれるカセットやCDに録音された口承文芸の愛好者となる。今回の調査でわかったことは、世の中が変わっても、大衆はコピー文化によって、口承文芸をたのしむことになる。そのおかげで、吟遊詩人や牧人によってうたわれる実演による口承文芸は衰退した。けれども、より音楽性のたかいコピー文化による口承文芸は、今日でも健在である。家庭における昔話などの口承文芸は衰退しつつあるとはいえ、以前とかわりはない。一方、市場には、北部カメルーンのあらゆるところからもたらされる新旧、地域のいりまじったより複雑な録音資料が流通しており、今後の研究がまたれる。
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