研究課題/領域番号 |
18530008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 淑美 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 特任講師 (20420424)
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研究分担者 |
和田 仁孝 早稲田大学, 法務研究科, 教授 (80183127)
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連携研究者 |
和田 仁孝 早稲田大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80183127)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,060千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 660千円)
2008年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 法社会学 / 医療紛争 / コンフリクト / 被害 / 責任 / メディエーション / メディエーター |
研究概要 |
平成18 年度から20 年度にかけて、医療事故をめぐる「被害」「責任」の認知と医療事故ADRの可能性 : 法社会学的アプローチ」をテーマとする研究を実施した。在外調査として、アメリカのジョンズホプキンス病院の医療事故システムのあり方や、イギリスのNHS などの取り組みを調査した。この研究では、医療者及び患者側へのインタビュー調査やアンケート調査を通じて、その感情的葛藤を中心とする紛争解決・関係調整過程のメカニズムの検証と、それに基づく具体的なプロセス・モデルの提言、人材養成プログラムの開発などを行った(和田仁孝・中西淑美『医療コンフリクト・マネジメント』、日本医療メディエーター協会(JAHM)設立などを行い、各種シンポジウムにおいて非医療者と医療者の医療事故ADR についての考えを啓発した)。その過程で、こうした紛争解決・関係調整機能が、原因究明システムの在り方や、医療者やの行動規律システム、また金銭的救済システムとの連動の中で影響を受けていることが考察できた。更に、本研究では、法社会学研究者、医師、看護師からなる研究会を組織し、海外の医療事故防止システム、医療事故紛争処理システムについての研究を進めている。実証的研究ではないが、その準備となる文献研究として、現在進行中である。コロンビア大学ロースクールでメディエーションを講じ、医療メディエーションの推進者でもあるCarol Liebman 教授とJAHMシンポジウムも開催した。医療事故当事者の「被害」「責任」観念の構造についての法社会学的分析を行ってきたが、その過程で、被害・責任のナラティヴ分析を的確に行うために、ナラティヴ分析一般、及び医療領域で注目されつつあるナラティヴ・ベイスド・メディスンなどの新たなアプローチについて文献を検討した。成果としては、日本学術会議特任連携会員として、医療事故紛争処理システム分科会における検討を重ね、分化会委員会のコンセンサスを得て、医療事故紛争処理システムについての提言をすることができた。また、リスクについての医療者と患者の認知の差異について「認知のたすき掛け現象」と名づけた概念を手がかりに分析した論文が、学会誌『法社会学』に投稿し採択され掲載された。
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