金融資産の口座振替システムの法律構成は、アメリカ統一商法典第八編の規定枠組みを基礎にすれば、証券、預金を含め統一的に捉えることが可能であることを明らかにした。それは、基本的には口座記録が証券、預金などの金融資産の帰属を端的に表すと捉え、投資者、預金者がいかなる権利を有するかについては、金融機関等の口座管理機関との関係において規定するというものである。このように考えると、証券決済システムと資金決済システムの相違は一つには口座管理機関が口座保有者から預かった金融資産に対する口座保有者の返還請求権の性質と言える。
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