研究課題/領域番号 |
18530102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松本 礼二 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30013022)
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研究分担者 |
吉野 孝 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00158487)
川岸 令和 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10224742)
谷澤 正嗣 (谷淫 正嗣) 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20267454)
古矢 旬 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091488)
三浦 信孝 中央大学, 文学部, 教授 (10135238)
川出 良枝 東京大学, 法学政治学研究科, 教授 (10265481)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,940千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | デモクラシー / トクヴィル / アメリカ / グローバライゼーション / 自由主義 / 軍産複合体 / 日本 / 戦争 / 全体主義 / 自由民主主義 / 共和主義 |
研究概要 |
本研究の目的は、20世紀の政治理論、特にいわゆる自由民主主義の形成とトクヴィルの政治思想との関連を冷戦の終結と「新たな」資本主義の世界化という今日の状況において再考することを目的としている。すなわち、「新自由主義」の主導する経済のグローバライゼーションは新たな貧困や格差を世界大で意識化させ、アメリカの「帝国化」はアメリカのデモクラシーの見直しを迫り、民主化の課題が自由主義圏を越えて旧社会主義圏はもとより、非西洋の全域に拡がろうとしている。欧米の自由民主主義国においては、共和主義、コミュニタリアニズム、多文化主義、市民社会論といった立場からする自由主義の相対化が試みられ、非西洋地域においては、中国、インドのような経済発展の著しい諸国において経済発展と政治的民主化の跛行性が種々の問題を生み、他方では、ラテンアメリカのいくつかの反米左翼政権に見られるように、アメリカの帝国的支配とグローバライゼーションに対する新たな挑戦がなされている。これら現代の理論的実践的諸問題とトクヴィルの理論や分析との関連を問い、トクヴィルの政治思想そのものの読み直しを試みた。 以上の問題意識の下に行った2年間の研究を通じて確認された主な知見を以下に列挙する。 (1)冷戦の終結とソ連社会主義の崩壊は社会主義に対する自由民主主義の勝利を明らかにしたが、アメリカの覇権の下に進むグローバライゼーションは、アメリカ・モデルの世界化をもたらしたわけではなく、それへの種々の反発を生み、宗教勢力の政治的影響力の増大、格差と不平等の拡大、「社会資本」の減衰と公共生活の縮小といった近年のアメリカに際立つ傾向は、トクヴィルのアメリカ観の再考を促している。 (2)トクヴィルがナポレオンの遺産を念頭に19世紀フランスに発した警告は今日の状況において米国の「軍産複合体」の分析にヒントを与え、20世紀後半以降のアメリカの「帝国化」を考える材料となる。 (3)今日、非西欧世界に広がる民主化の課題を考察する上で、明治以来の日本の近代化とデモクラシーの問題をトクヴィルの視点から分析することは有益な視座を提供する
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