研究課題
基盤研究(C)
日本の中小製造企業における電子タグ(RF-IDタグ)=電子荷札を利用した物流・在庫管理の導入状況の実態調査を進めた。特にトヨタ自動車でかんばん方式を積極的に導入したNECパーソナルプロダクツ米沢工場の調査において「RFIDかんばん」導入による部品供給ベンダーに対する部材の発注・納入指示伝達のリアルタイム性や生産・発注計画のシミュレーションや需要予測などによる労働生産性の上昇(10%以上)の計測を行った。「系列」を中心としたかんばん方式をRF-IDカードによってIT化することによって、かんばん、生産ラインのトレーサビリティ、生産管理、というサプライチェーンの各所においてITによって強化された自働化が進んでいることが明らかになった。この実態調査と併行して、生産過程においてシステムを構成する機能をグループ化して分解する概念として登場した「モジュール」の概念を、企業間のシステムと企業間で取引される部品=「商品」自体の「モジュール化」=「標準化」として捉える理論的研究を進めた。さらに、RF-IDや組込みシステムの開発などユビキタス・ネットワークを支えるIT開発自体の調査や中小企業を中心とした「電子かんばん方式」と市場即応型の生産システムを産出するソフトウェア労働者=組込みソフトウェア労働者の労働の実態を調査し、ITの応用=「RFIDかんばん」導入によって生産性の向上を自働化=人間労働の不断のカイゼンが電子的に強化される過程としてとらえユビキタス・ネットワークの流涌過程、さらに生産過程への導入は「電子かんばん方式」とこれによる中小企業への管理強化を進めていることを明らかにした。
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