研究課題/領域番号 |
18530231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 功 東京大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (20361579)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,670千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 実証ファイナンス / 計量ファイナンス / ボラティリティ / ボラティリティ・オブ・ボラティリティ / 実現ボラティリティ / ARFIMA-GARCH / 長期記憶型時系 / 多変量条件付密度 / 金融市場 / ファイナンス |
研究概要 |
世界主要株式市場(先進国市場及びエマージング市場)のボラティリティの日次時系列変動を、金融市場ボラティリティの代表的既存モデルあるGARCHモデルを拡張したCEVGARCHモデルにより実証的に分析した。結果として、ボラティリティ・オブ・ボラティリティ(ボラティリティ変動性の尺度)のボラティリティ水準に関する弾力性は各国市場において従来モデルが含意する値よりも大きな値である可能性が高いことが示された。市場が撹乱要因にさらされたときに急激にそのボラティリティが高まることを示唆するこの結果は、リスク管理、派正資産評価、さらには金融政策上の含意も大きい。しかし、CEVGARCHモデルは収益率の条件付分散を差分方程式で記述するタイプのモデルであるので、非負条件等、パラメータ制約が大きいモデルであり、このモデルの推定結果が示す高弾力性は「見せかけ上の効果」である可能性も否定できない。そこで、伊藤の公式を用いてCEVGARCHモデルを条件付分散の対数を記述するタイプのモデルに近似的に変換、さらにボラティリティ方程式をニューラル・ネットワーク型の柔軟性を持つ非線形関数として記述するCEV-exponential GARCH(CEVEGARCH)モデルを定式化し、最尤法によるモデル推定を行った。結果として、弾力性パラメータ値はやはり従来考えられていたよりも高い可能が大きいことが分かった。 次に、日経平均株価指数の日中高頻度データから構築した実現ボラティリティ(RV,各日の日中5分リターンの二乗和)の日次系列データにより市場ボラティリティの時系列分析を行った。ARFIMA-GARCHモデルをデータに適用し推定、まず、先行研究で示されているRVの予測可能性及び長期記憶性を確認した。さらに新たな結果として日経平均RVのボラティリティ(すなわちボラティリティ・オブ・ボラティリティ。具体的にはRVの条件付分散)は時間的に変動しており、予測可能なコンポーネントを含むことが実証的に示された。
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