研究課題/領域番号 |
18530241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
伊東 和久 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (90295832)
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研究分担者 |
井村 進哉 中央大学, 経済学部, 教授 (50176509)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,980千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ベンチャーキャピタル / ベンチャービジネス / イノベーション / IPO / 新竹科学工業園区 / 技術とファイナンス / IT / オフショア金融センター / IPO(新規公開株式発行) / オフショアファイナンスセンター / 新興資本市場 / 段階別投資 / ピライベートイクイティー / シリコンバレー / 株価形成 |
研究概要 |
日本・韓国・台湾のベンチャーキャピタルのパフォーマンスを比較研究した結果、日本の金融機関では理系出身者が投融資判断に関わることが少なかったがベンチャーキャピタルでは積極的に採用し、技術を持つ投資対象企業の株価の適正な形成に関与するようになった。理系研究者もMBAを取得し、文系・理系という分離したデイシプリンの在り方が改善されつつあるが、台湾と比較すると十分な展開がなされているとは言えない。台湾は80年代に、政府による積極的な海外留学者の帰国を図り、ポスト重化学工業化としてシリコンバレーで生じたハイテクベンチャー起業を台湾の新竹科学工業園区を中心に実現するための包括的な施策を実施し、IT産業分野で上場企業が増加し、世界的な企業を生み出すことに成功した。ベンチャーキャピタルは金融持株会社制度の発足に伴い、各金融グループの中に、ハイテク企業の上場等の金融サービスを提供する金融機関として位置付けられている。韓国については、97年のアジア通貨危機以来、ベンチャービジネス育成強化策が取られ、ITバブル期にベンチャービジネス、ベンチャーキャピタルともに発展し、バブル崩壊とともに沈滞期を迎えたが、回復を見せ、大手ベンチャーキャピタルは積極的な展開を行っている。台湾、韓国、日本ともに中国においても積極的なベンチャーキャピタルの活動を行っているが、欧米のベンチャーキャピタルはケイマン諸島などのオフショア金融センターを経由して積極的な投資行っており、ベンチャーキャピタルの活動が国際的なネットワークの下に展開されていることも明らかとなった。ベンチャーキャピタルが広い意味のプライベートエクイテイに包摂されつつあるが、東アジアにおいても技術とファイナンスの結合した固有の金融分野が確立しつつあり、今後も、発展してゆく可能性十分あるという結論を得た。
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