研究課題/領域番号 |
18530250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
鈴木 泰 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋マネジメント学部, 准教授 (00350752)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,760千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 新銀行東京 / 地銀 / 信用リスク審査 / 中小企業金融 / トランザクションバンキング / スコアリング / 九州 / バンクレント / 福岡銀行 / 大分銀行 |
研究概要 |
本研究は、主として1)トランザクションバンキング手法により、中小零細企業向けに無担保・無保証条件での貸出業務を核とするビジネスモデルを展開した「新銀行東京」の信用リスク審査手法と融資戦略、及び2)リレーションシップバンキング強化により中小企業金融の再生に向けた取り組みを行っている地銀(今回の調査期間では、九州地区中位行の大分銀行と上位行の福岡銀行)における融資戦略の分析を目的とした。 1.「新銀行東京」の財務収益分析およびインタビュー等を通じて得た第2次データに基づき、同行の中小零細企業向け融資戦略動向を継続調査した。メガバンクとの競争激化に伴ない、同行の収益基盤が損なわれていったこと、スプレッド(利鞘・バンクレント)が当初計画にとおりには確保できなかったこと等、設立母体である東京都による当初計画「マスタープラン」で期待された収益基盤が構築できなかった構造的課題を指摘した。また、東京を基盤とする東京スター銀行の財務データとの比較を行ない、ローンポートフォリオ戦略の違いを分析した。地域密着型のトランザクションバンキングには試行錯誤の時間が必要であり、早急に成果をだそうとした同行、東京都の戦略上の問題を提起している。 2.クイックローン(スコアリング型融資)及び中小企業向け融資残高を伸ばし、収益性を向上させている福岡銀行と、クイックローンの取り組みには慎重な大分銀行との収益性の違いや審査方法の違いについて、インタビュー等から得られた情報も加え、比較を行った。現状ではスコアリング型融資(トランザクションバンキング)に積極的に取り組んでいる地銀の収益性が向上しているが、こうした手法は景気や各銀行のポートフォリオ方針に左右されるものであり、必ずしも中小企業向けの安定的な資金供給を約束するものではないことを指摘した。リレーションシップバンキングの再構築に向けた政策提言のための基礎データを提供した意味で本研究の意義は高いと思われる。
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