研究課題/領域番号 |
18530279
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
松岡 久美 香川大学, 経済学部, 准教授 (30325310)
|
研究分担者 |
山田 仁一郎 香川大学, 経済学部, 准教授 (40325311)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | アカデミック・アントレプレナー / 大学発ベンチャー / 研究者 / 正統化 / パートナーシップ / 正統化の射程 / アカデミック・アントプレナー |
研究概要 |
本研究においては、アカデミック・スピンオフ(大学発ベンチャー)の創出に関与する研究者をアカデミック・アントレプレナーと位置づけ、彼らの行動特性やそのベンチャー経営への影響、また、そうしたアカデミック・アントレプレナーを擁する大学発ベンチャー固有のマネジメント課題について実証研究を行った。我々は、研究者・経営者の双方に対する定量的な調査と5社のバイオ系大学発ベンチャーにかんする詳細な事例研究を併用してこれらの分析を行い、以下の点を指摘した。 アカデミック・アントレプレナーは、イノベーション志向が強いが、ビジネス面ではややリスク回避的な傾向がある。また、技術的・経営的な側面、心理的・物理的な側面のそれぞれにおいてベンチャー関与の形態には幅があり、全面的な強いコミットメントは必ずしもビジネスの成功につながるわけではない。ビジネス環境の変化の中で、経営者との間での分業・役割補完が流動化し、相互の役割が曖昧化する場合や、逆に、研究者のオーバーコミットメントが発生する場合も見られる。大学発ベンチャーという立ち位置は、資源動員の際の正統性の源泉となるが、逆に、事業化フェーズの進展やステイクホールダーとの関係性の変化にともなう戦略転換の困難さにつながる場合がある。我々は「正統化の射程」という概念でこの現象を指摘した。また、昨今の大学発ベンチャーの増加は、ベンチャーによる正統化行為を容易にした反面、正統性そのものに対する信頼の低下の危険性も内包している。 ミクロ・マクロ双方からのアプローチによりアカデミック・スピンオフの創出過程に内在する課題を明らかにした本研究は、研究者管理、経営者・研究者のパートナーシップ、ベンチャー経営における正統性管理などの側面で理論的・実践的な含意を有している。
|