研究課題/領域番号 |
18530356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
浅野 信博 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 准教授 (10319600)
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研究分担者 |
椎葉 淳 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60330164)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,320千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 120千円)
2007年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 会計発生高 / 成長戦略 / コスト削減戦略 / 企業戦略 / 会計利益 / キャッシュフロー |
研究概要 |
本研究は、「会計発生高(accounting accruals:会計利益とキャッシュフローの差額)は戦略にしたがうか」すなわち、企業戦略によって会計発生高がシステマティックな影響を受けるか否かについて明らかにしようとした研究である。われわれの研究では、企業戦略について経済理論モデルによって頻繁に扱われる「成長戦略」と「コスト削減戦略」の2つに特定して、会計発生高が企業戦略によっていかなるシステマティックな影響を受けるのかについて明らかにしようと試みた。経済モデル分析からは、成長戦略からコスト削減戦略に切り替えた時点で、短期会計発生高のうち、(1)売上債権変化額、(2)棚卸資産変化額といった会計発生高構成要素にシステマティックな影響が生じるということが示唆される。このことを検証するためにわが国の財務データを用いて実証分析を行った。結果は、会計発生高構成要素のみならず企業戦略をモデルに組み込むことによって、会計発生高の予測精度が上昇するというものであった。この結果は、企業戦略によって会計発生高がシステマティックな影響を受けていることを示唆する。他方、「成長戦略」と「コスト削減戦略」との戦略転換時点の特定化が困難であることから、戦略が会計発生高に及ぼすシステマティックな影響を完全には捉えきることができなかった。その理由として、戦略転換時点として新規株式公開時点に注目して研究を行っていたが、新規株式公開時点における多額の利益調整額をコントロールすることが出来なかった点が挙げられる。そこで、戦略転換時点をM&Aに変更して研究を続けていくことにした。今後、戦略が会計発生高に及ぼすシステマティックな影響を完全に捉えることができるならば、特定の会計発生高に注目することで、企業外部者が特定できない企業戦略の変化を間接的に捉えることが可能となるであろう。
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