研究課題/領域番号 |
18530411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大久保 孝治 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00194100)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,670千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 清水幾太郎 / 知識人 / 庶民 / 大衆社会 / ライフストーリー / 人生問題 / 社会問題 / 人生の物語 / 七九会 / 社交 / 愛国 / 倫理学 |
研究概要 |
高名な社会学者であり、戦後日本のオピニオン・リーダーの一人であった清水幾太郎は、論文「庶民」(1950年)の中で、「私自身が庶民なのである」と告白した。彼はなぜそんな告白を行ったのか。第一に、彼は下層の出身で、そのことにプライドと羞恥心の両方を感じていた。第二に、庶民は人間性の直接的な体現者であるが、清水の社会学理論において人間性は重要な位置を占めている。第三に、彼は国民的な平和運動に積極的にかかわっていた。要するに、清水は庶民への共感という点において、彼自身を他の進歩的文化人から区別しようとしたのである。 しかし、1950年代と60年代を通して、庶民の概念は有効性を失っていった。庶民はマスメディアの発達(とくにTV)と経済成長の中で新しい群集に変貌した。一方、清水は平和運動を離れ、アカデミックな研究に専念するようになった。清水にとって新しい群集はもはや共感や連帯の対象ではなく、貴族との対比において、厳しく批判すべき対象となった。晩年、清水は大衆社会を乗り越えるために、愛国と社交の必要性を説くに至った。
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