研究課題/領域番号 |
18530412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
和田 修一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30106215)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,150千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 生き甲斐 / 近代的自己 / 近代化 / 近代(モダニティ) / 外からの開化 / what makes worth living / 倫理観 / アイデンティティ / 生きがい / 人生の意味(理念と利害) / 倫理・道徳 / 自己と社会 / 近代(化) / 自己利害と公共善 / 人生の意味 / 自己 |
研究概要 |
H18年度における本研究では、(1)「生きがい」という語の用例採取を主として中期から末期の江戸時代の文学作品等に関して行い、さらには、(2)生きがいという語の意味変化に代表される日本人の価値意識の歴史的変化を定式化するための理論的枠組みを、西洋社会に関わる分析理論に依拠しつつもわが国独自の文化・歴史文脈の上で構築すべく試みた。そしてさらに、H19年度においては、それらの研究を引き継いで、(1)新たに明治初期の翻訳文学における「生きがい」の用例において意味の変化を捉え、その変化を促した要因を明らかにすべく、原著との比較を行った。(2)近代化の歴史をひとびとのアイデンティティの変化過程として捉える理論構築を、いわゆる「理念と利害の社会学」という視点から再定式化することを試みた。近代(modernity)という歴史概念を理解するためには、社会の近代的構造特性を明らかにすることに加えて、近代社会の構造を構築する(そしてまた、構築された近代的社会に適応しうる)人間類型の形成という側面からのアプローチも不可欠であることもまた周知の事柄である。本研究では、日本人の「いきがい」観念の変化に現れた内面性の変化を通して、この第二のタイプの近代社会論へ新しいパースペクティヴとしての「生き甲斐の社会学」構築を目指したものである。その社会学的理論構築のポイントは、社会構造と行為主体(の内面性)との間の関係を整合的に説明するための「論理」構造を見出すことに収斂されるのであるが、生き甲斐という日本的倫理観(それは、what makes life worth livingという倫理価値とも共有構造をもつのであるが)こそが正にこの論理構造を示唆しているのである。
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