研究課題/領域番号 |
18530414
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 東京女学館大学 |
研究代表者 |
麦倉 哲 東京女学館大学, 教授 (70200235)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,590千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | ホームレス / ライフヒストリー / 自立支援 / 男らしさ / 女らしさ / 孤立 / ソーシャルワーク / ソーシャルインクルージョン / 人生誌 / ジェンダー / 嗜癖(アディクション) / 山谷 / 生活保護 / アディクション / ソーシャル・インクルージョン / 男性史 |
研究概要 |
長年山谷地域で生活して晩年の時期を新宿区に転居した、とあるホームレス経験のある女性のライフヒストリーを追った。KMさんは、数奇な人生をたどり路上生活を経験し、生活保護受給後は幾度もの保護喪失の危機に直面しつつも、最後は畳の上で人生をまっとうした。葬儀に参列したのは、ボランティアの面々と、20年ぶりに再開するきょうだいだけであった。私はこの女性と、十数年間にわたり親交を深め、信頼をえて、ライフヒストリーをうかがってきた。私はボランティアとして、この方の近くに存在し、ケアやサポートにつとめてきた。しかし、私が支えているようにみえて、実際は、私を支えていただいたようにも思える。 山谷と新宿における調査経験をもとに、1990年代以降に、ホームレス問題が深刻化していく要因を考察し、政治リーダーの政策選択の問題も考察した。男らしさを引きずっている男性ホームレスは、自分自身の生計上の不振とともに孤立化していく。女性らしさを引きずっている女性ホームレスは、救済を受ける機会を得ることもあるが、支配的な男性から従属させられ、一方的に利用されるなどの被害を受けることが少なくない。 孤立しがちな男性や、被害を受けやすい女性ホームレスを自立支援するには、それぞれに必要なソーシャルワークの支援の機会を提供することが重要である。男性であれ、女性である、その人生史の一部分に、NPO団体や、ボランティアの個々人が継続的に介在することが、孤立の解消や被害の回避のために有用な意味を持っている。女性ホームレスのケースでは、この女性の日常生活の一部に支援者と過ごすことによって、暴力団関係者の経済的な搾取の被害を受けるのを食い止めることができた。
|