フランス高齢者福祉サービスの実施体制と供給過程――西部の一県の実態を踏まえて

• 研究課題/領域番号: 18530446
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 社会福祉学
• 研究機関: 東日本国際大学
• 研究代表者: 原田 康美 東日本国際大学, 福祉環境学部, 教授 (00406000)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2007
• 研究課題ステータス: 完了 (2007年度)
• 配分額: 1,620千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 120千円); 2007年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円); 2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
• キーワード: フランス / 高齢者福祉サービス / 政策の実施体制 / サービス供給 / 社会福祉の地域化 / 地方分権化 / ロワール・アトランテック / 県高齢者福祉計画 / 福祉国家 / 再編期 / 高齢者福祉政策 / 介護サービス / 市場化 / 地方福祉行政 / 高齢者福祉計画 / 社会保護システム / 高齢者介護保障 / 個別自立手当(APA) / 財源-供給の分離 / 地方分権化第2幕 / CLIC

研究概要

本研究は、フランスにおける高齢者福祉サービスの実施体制と供給過程の実態を、サービス供給の現場である地方・地域に視点を据えて把握することを目的とするものであった。その狙いは、2003年夏の「猛暑の悲劇」を通してその不完全さが浮き彫りになったフランスの高齢者介護保障の実態と課題を明らかにすることにあった。この目的と狙いの下に、研究作業は「福祉国家のメゾ地域研究」とも言うべきアプローチによって進められた。このアプローチは、従来の比較福祉国家研究においてよく採用されたような一国全体を事例研究の対象とするのではなく、当該国の特定の地方自治体におけるサービスの実施体制と、給過程を総体的に把握しようとするものである。
研究の第1年目は、フランスの西部の一県であるロワール・アトランテック県における現地調査を中心に作業を進めた。第2年目は、高齢者介護保障に関する現行制度の実態と改革の動きに留意しながら、同県の高齢者福祉計画の策定過程とその内容の分析を行った。
これらの作業を通して、ロワール・アトランテック県の高齢者福祉計画の策定過程を解明することができた。また、「社会福祉の地域化」を担う機関としてのCLIC(地域包括情報調整センター)および高齢者の意見集約機関としてのCODERPA(県退職者高齢者委員会)の地域福祉に果す役割の重要性を明らかにした。地方分権化第2幕に入っているフランスでは県という中間行政組織の機能強化が図られているが、その狙いが住民・利用者に対する「近接性」の重視よりも地域内均衡の推進にあることが明らかにできた。
最後に、「福祉国家のメゾ地域研究」が社会福祉の実態把握に極めて有効であることも確認できた。

研究成果

• [雑誌論文] 福祉国家フランスにおける高齢者福祉政策の展開―高齢者在宅福祉サービスの供給体制の確立と変容―(東京都立大学大学院課程博士論文) (2008)
  • 著者名/発表者名: 原田康美
  • 雑誌名: 国会図書館納入 ページ: 1-117
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
  • 査読あり
• [雑誌論文] フランスの公的扶助システムを構成する給付プログラム:特徴と近年の改革動向 (2008)
  • 著者名/発表者名: 原田康美
  • 雑誌名: 東日本国際大学福祉環境学部研究紀要 4 ページ: 31-47
  • NAID: 40016030668
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
  • 査読あり
• [雑誌論文] 「研究成果報告書概要(欧文)」より (2008)
  • 著者名/発表者名: Harada, Yasumi
  • 雑誌名: A Study of Development of the Elder's Social Care Policy in France, one of the Outstanding Welfare States : formation and transformation of Provision System for the Elder's Domiciliary Social Care Sercices(Doctoral Dissertation, sumitted for the doctoral program of Tokyo Metropolitan University) (not yet published, but collected in Nationl Diet Library) ページ: 1-160
• [雑誌論文] A benefit-programs package of the public assistance system in France―its characteristics and recent trend of reform (2008)
  • 著者名/発表者名: Harada, Yasumi
  • 雑誌名: Research Bulletin of Social Ecology and Services Fuculty of Higashi-Nihon International University No.4 ページ: 31-47
  • NAID: 40016030668
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] フランスの公的扶助システムを構成する給付プログラム-その特微と近年の改革動向 (2008)
  • 著者名/発表者名: 原田 康美
  • 雑誌名: 東日本国際大学福祉環境学部研究紀要 4
  • 査読あり
• [雑誌論文] フランスにおける「普遍手当」論-「ベーシック・インカム」論のフランス的コンテクスト- (2007)
  • 著者名/発表者名: 原田康美
  • 雑誌名: 東日本国際大学福祉環境学部研究紀要 第3号 ページ: 75-91
  • NAID: 40015445160