研究概要 |
平成18〜19年度において、加齢する障害を持つ人々の権利侵害の実態把握を行うため、4つの独立した調査研究を行った。 まず、平成18年度には、第一に知的障害を持つ人々及びその家族2,000名を対象にアンケート調査を行った。その結果、932名から有効回答が得られた(有効回答率46.6%)。第二に、精神障害を持つ人々及びその家族1,450名に対しアンケート調査を行った。その結果、536名から有効回答が得られた(有効回答率36.9%)。 平成19年度には、同様に2つの調査研究を実施した。第三に、脳性麻痺を中心とした肢体不自由障害を持つ人々及びその家族1,000名に対しアンケート調査を実施した。その結果、564名から有効回答が得られた(有効回答率56.4%)。第四に、脊髄損傷障害者及びその家族3,300名に対しアンケート調査を行った。その結果、1,013名から有効回答が得られた(有効回答率30.6%)。 これら4つの調査研究より、以下の点が明らかになった。第一に、知的障害を持つ人々や脳性麻痺障害を持つ人々は、「学校」において権利侵害を受けた経験が多い。第二に、精神障害を持つ人々に関しては、「職場」において心理的虐待を受けた経験が多い。第三に、脊髄損傷障害を持つ人々に関しては、他の障害種別と比較すると権利侵害を受けた割合が極めて低いことが確認された。 本調査研究の限界性及び問題点としては、知的障害や脳性麻痺障害を持つ人々に関しては、障害の特性より家族等が代理記入せざるを得ないケースが多く、その結果、本人以外の意識が混在している可能性が高い点があげられる。
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