研究課題/領域番号 |
18530517
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山田 純 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (00116691)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
1,780千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 180千円)
2007年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 韻律 / 日英語 / 音読 / 基本周波数 / 鼻音率 / 吃音 / 日英語音読 / 持続時間 / 緊張と音読 |
研究概要 |
本研究は、5章に分けられる。第1章、日本人学生の英語文章音読の特性分析、第2章、日本語文章音読の特性分析、第3章、日本語文章音読と日本人学生の英語文章音読における鼻音率の比較対照、第4章、吃音者の日本語音読における緊張と基本周波数(ピッチ)の関係、第5章、A1-B1-A2-B1パラダイムを用いた緊張の吃音に及ぼす効果の事例研究である。 第1章では、日本人の英語音読がフラットになる傾向を指摘した。これは、緊張状態のひとつの表れと見ることができるかもしれない。この可能性の追究は今後の課題である。第2章では、プロの範読者の日本語音読のピッチ変化を求めた。自己相関分析の結果、任意の文節のピッチは後続2文節まで影響することが明らかになった。このようなパタンが英語範読者の場合どうか、日本人が英語を音読する場合にどうなるかが今後の重要な課題として残る。第3章は、大学生を対象に、日英語音読における鼻音率を測定した。日本人は鼻音の使い方で2群に分けられる可能性を示唆した。第4章と第5章は、日本人吃音者を対象とした事例研究である。これは、音読における緊張度の及ぼす効果を求めることを目的とした。それは、健常者に比べて緊張度の効果が大きいことがあり、そこで得られる変数は健常者にも多かれ少なかれ問題となりうると考えられるからであった。第4章では、緊張条件では、基本周波数が平静条件に比べて、平均5Hz高くなるという結果を得た。第5章では、さらに厳密に条件を統制してA-B-A-Bパラダイムを用いて基本周波数を測定し、第4章の結果を確認した。 これらから音読学習および発音学習の部分的な示唆が得られるが、韻律のみならず、子音と母音の音響的、音声的な特徴の分析も必要となることが研究の過程で明らかになった。
|